鼠丼(ねずみどんぶり)

天に声あり、丼の中に住む鼠をして語らしむ

<827> 250519 田舎の寺から電話がかかってきた


 毎度!ねずみだ。

 先日の事。叔母から電話があった。(亡くなったお袋は5人姉妹の末っ子でその姉にあたる。)もう93歳の高齢だ。施設に入って
いるものの元気で、暇に任せてしょっちゅう電話してくる。
 
 先般田舎(長野県飯田市)に行った折に先祖代々の墓に墓参りした際、坊主に先祖の墓を訪れる者がなく無縁仏化しているからなんたらかんたら、と言われたらしい。
 坊主と話をしたって丸め込まれるだけなのだが、どうやら跡取り息子(ウチの長男の事らしい)に連絡て、今後どうするか連絡してくれないと困る、というような事らしい。

 だったら長男に連絡したら良さそうなものだが、残念な長男に連絡したところ案の定「弟に連絡してくれ」と残念な返事があったようだ。
 翌日残念な兄からメールで「どうする?」と来た。「長男が決めるものだろう?」と返すと「どうしたものだろう。」と即レスが返ってくる。残念ながら残念な兄は本当に残念な男なので、親父やお袋の件でも自分では何一つしないでおいて、「家はどうする?売るのか?いつ売るんだ?」とお金の事しか気にしていない。

 兄はずいぶん昔に家を出る際に親父から多額の現金をもらっていて、家は二男に譲るけど良いよな、と話をしたそうだ。家を売ろうが処分しようが残念な兄には関係ないはずである。
 ところが。
 都内の高級住宅街にある家は驚くほどの査定額をはじき出したのを嗅ぎつけて、急に残念な兄が「遺言は残っていないよな?まさか全額持って行く訳ではないよな?」と、火曜サスペンスドラマに出てくる「長年音信不通になっていて親が死んだとたん出てきて、始めの15分ぐらいでがけから落ちて不審な死を遂げる兄」のように鼻息を荒くしている。

 それはまた別の話なので墓問題に話を戻すと、やはり「お前に任せる」ということになったので、面倒だが坊主と話すことに。

 なんでも「ウチの寺は菩提寺で、親父とお袋が亡くなった際に呼んで貰えなかったのは心外だとか、祖父も祖母も永代供養になっておらずこのままは不義理になってしまうぞ、無くなったじいさんとばあさんが浮かばれない」と遠回しに脅しているようである。放っておくとそのうち仏罰が当たるとか言い出しかねない。
 永代供養にいくらかかるのか、と聞いたところ祖父と祖母で50万円よこせと言う。電話の向こうでそろばんがじゃらじゃらなっていそうだ。40年近く前に鬼籍に入ったじいさんの供養をいまだにしていなかったのは親父とお袋の問題だが、今更あの世の親父とお袋に文句も言えず、直接の娘である叔母に連絡したところ「私はもうお嫁に出ているので、今更なんたらかんたら」と袖に。
おいおいあんたの両親の件だぜ孫に金を出させるのか、とのどまで出かかったセリフを飲み込む。

 勢いあまって「じゃあ、永代供養をお願いします。」と坊主に連絡したところ、我が意を得たり、とばかりに「そうでしょうともそれでおじいさんとおばあさんは心安らかになんたらかんたら」と急に明るい声で謳いだす始末。まんまと坊主の術中に落ちた。

 まったく泣く子と地頭と坊主には勝てない、とはよく言ったものだ。
 というわけで残念な兄に代わってじいさんとばあさんのために50万円はらっておきますよお父様とお母様の家を売った金から
出しておきますよええとりあえず二男が立て替えておきますちなみに家はまだ売れていないので。

 じゃ、また。